ちよの考察

嵐について、映画について、小説について、いろいろ考察するのが好きな私の独り言。

陽だまりの彼女

2018/12/26

 

こんな役もできたんだね、彼。

 

(※ネタバレが含まれます)

 

 

 

 

映画陽だまりの彼女観ました。

 

暖かさと人の繋がりの運命の不思議さを感じるいい映画でした。

これは映画館で観たかったな。

 

“秘密”はわかった状態で見始めたんだけど、うまく種明かしの伏線が敷いてあっていい感じ。

 

中学生の子役の演技もとても良い。

あの頃の男の子ってあんな感じよね。素直になりきれず、その時のわだかまりをどこかに抱えつつ大人になっていく。

 

真緒は、きっと秘密を知られて、浩介に避けられるのが怖かったんだろうね。

そうでなければさっさと種明かしをした方がいい。短い時間をどう過ごすか二人で考えた方がいいに決まってる。

でも真緒は愛する人と日常の幸せを一緒に見つける方を選んだんだろう。

 

結局それも杞憂に終わった。

「ブライアン食べただろ」のセリフ、ユーモア溢れてるけど、猫としての真緒もちゃんと受け入れてるよ、という意思表示でもあったんだろう。

 

 

うーん、でも種明かしは原作の小説のやり方の方が良かったのでは…。

「生まれ変わり」という非現実的な現象があまりに多くの登場人物に受け入れられすぎていないか?

フィクションだから許されるかもだけど、それだけでちょっと興ざめになりうる。

「まさかね?」くらいの温度で進んで、その中でも確信に至るのは浩介だけでいいと思う。

 

あとは、記憶だけじゃなくて二人の思い出の物も全て消え去るという設定もファンタジーに傾きすぎでは。記憶はないのに、物は残ってて思い出したいけど思い出せない、くらいの感じが好き。

それにその方がよっぽど現実感がある。 口座のエピソードとか映画に入っていて欲しかったけどなぁ。メモという物も消え去る設定だと厳しかったか。

 

 

松本潤はこれが5年ぶりの映画だったんだ。

その前が花男Fだったことを思えば、ある意味挑戦の一作だったわけだな。

 

どこか冴えない、優しい純朴な青年、というキャラクターが作りにくい役を上手に演じていて、それがのちに続く作品で幅広い役柄につながっていったのかしら、とも。